エキスパンションジョイントを用いたマンションの地震対策 | お客様に寄り添った対応を東京都で行います

エキスパンションジョイントは、異なる構造の建物を外観上は大きな一つの建物となるよう繋ぎ合わせている部分のことです。
大型のマンションやショッピングセンターなどを上空から見ると、L字やT字の形をしているものも多いでしょう。
多くの場合これらの建物は最初からその形で建てられたのではなく、いくつかのブロックに分けて建築されています。
何故ならば、いびつな形よりも直方体や立方体などの整形地の方が、設計も建築もしやすいからです。
建築の際には、それぞれの建物が地震で揺れたときにぶつかり合わないようにある程度のすき間を作っておく必要があります。
しかし、建物と建物の間にすき間が空いたままでは不便であり、安全に行き来することもできません。
そこでそれぞれの建物同士をエキスパンションジョイントで接合することにより、構造は別でありながらも見た目には一つの大きな建物が完成するのです。

エキスパンションジョイントを用いる最大の目的は、外部から大きな力がかかった場合にそれを分散して建物へのダメージを抑えることです。
大きな地震が起こったとき、いくつかの構造に分けられている建物はそれぞれのブロックが異なった揺れ方をします。
そのときに地面やお互いの建物とぶつからないように、あらかじめ一定の距離をとっておかなければなりません。
もしその距離が適切でなければ、建物はぶつかりあって大損害を生じてしまうでしょう。
しかし距離があいたままでは問題があるため、すき間を埋めるためにエキスパンションジョイントを用います。
また、大きな建物を建てる際に地盤の強さが均等であるとは限りません。
場所によって沈下しやすいところがあればそれに応じて構造を切り離し、縦の衝撃にも備える必要があります。
複数構造にすることにより、どこかで地盤沈下が起こったとしてもすべての建物が一緒に壊れてしまうという悲劇は防ぐことができます。
さらに、鉄筋コンクリートは温度によって変形するという性質も持つため、必要以上の劣化を防ぐためにもすき間を設けなくてはなりません。
特に橋のような大きくて横に細長い建物において、寿命を長く保つためにこの方法がとられています。

大型の建物は、重さや大きさの異なる複数の構造から成り立っている場合が多いです。
地震の揺れや地盤沈下などの衝撃を最小限にくいとめるための施工であるので、マンション購入の際は参考にするとよいでしょう。