土地購入の際のトラブルを防ぐために役立つ「筆界特定制度」とは？ | お客様に寄り添った対応を東京都で行います

不動産市場ではさまざまな土地が売買されていますが、売られている土地の中には「法的な土地の境界線＝筆界が未特定状態のままになっている土地」も存在します。
筆界特定制度とは、そうした筆界未特定の土地などについて、法的な境界がどこなのかを明確にするための制度です。
ちなみに筆界と似たような言葉として知られるのが「境界」ですが、「境界という大きな枠の中に筆界がある」といった考え方です。
境界という言葉の中には、筆界だけでなく、土地の所有者間の合意で変更ができる「所有権界」も含まれます。
たとえば「昔にお隣同士で合意して土地の境界を個人的に変更して生け垣やフェンスの移動をしたけれど登記変更はしていない」というケースなどで、筆界と所有権界に差異が出ることもあるのです。
こうした土地を購入すると、後々トラブルになってしまうリスクが高いため、この場合も筆界特定制度を利用して、あらためてきちんと法的な土地の境界を明確にすることが求められます。

土地購入において「法的な境界がどこなのか」について、隣人とのトラブルを防ぐために筆界特定制度を利用することには、以下のようなメリットがあります。

●裁判をして境界を決めるよりも金銭的負担が軽い
●手続きそのものも裁判よりスピーディ
●筆界特定制度は筆界特定登記官が取り扱うが、土地家屋調査士などの専門家の意見を踏まえたうえで行うので高い証拠価値がある

筆界特定制度を利用しても、当事者のいずれかがその結果に納得できない時は筆界確定訴訟という裁判に移行することとなりますが、証拠価値の高い筆界特定制度はこの裁判でも重視されます。
金銭面や時間の負担が軽く、もし裁判になっても強い証拠価値を持つものとして重要視される筆界特定制度は、境界判断・決定の強い味方となってくれるわけです。
「隣人などの心証面を考えても、いきなり裁判するよりは筆界特定制度利用のほうがソフトに受け入れてもらいやすい」というメリットもあります。

土地購入をする際に、その土地が筆界未特定である場合や、登記簿上の「法的な境界＝筆界と実際の境界の使用状況＝所有権界」に差異がある場合は注意が必要です。
後々のトラブルを未然に防ぐためにも筆界特定制度を利用して、法的にきちんと境界を明確にすることをおすすめします。